Skip to main content

Momiji Perspectives

クリスマス・エクスプレス|携帯電話のない昭和のクリスマスイブに新幹線ロマンス物語

Table of Contents

クリスマスシーズンになると、日本の街角では必ず山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れます。 前回の記事を書いている時に、遠距離恋愛をテーマにしたJR東海のシリーズ広告「シンデレラ・エクスプレス」を見つけました。 記事のリンク:シンデレラ・エクスプレス|昭和時代の甘酸っぱい新幹線遠距離恋愛

シンデレラ・エクスプレスのCMが放映される1年前の1987年、JR東海は国鉄から分離民営化されたばかりでした。JR東海の広告マーケティングチームは、「新幹線は人々を出会わせ、街と街をつなぐコミュニケーション・メディアである」という全く新しい広告の世界観で、消費者の心に根付いていた国営のイメージを打ち破りました。

資料を探していたら、より多くの人に知られているのは、よりロマンチックな「クリスマス・エクスプレス」だと分かりました。

上述の広告の世界観を延長線上に、このCMの制作者である早川和良は「遠距離恋愛中のカップルが新幹線を使ってクリスマスイブに会う」というストーリーを考えました。

このシリーズは1988年から1992年まで毎年1つのバージョンがあり、ミレニアムの2000年には特別版が発表されました。以下は私が翻訳・編集した全バージョンの総集編です。

1988年『帰ってくるあなたが最高のプレゼント』(深津絵里) 1989年『ジングルベルを鳴らすのは帰ってくるあなたです』(牧瀬里穂) 1990年『どうしてもあなたに会いたい夜があります』(高橋里奈) 1991年『あなたが会いたい人も、きっとあなたに会いたい』(溝渕美保) 1992年『会えなかった時間を今夜取り戻したいのです』(吉本多香美) 2000年『ひとは、きっと、ひとりじゃない』(深津・牧瀬再登場)

Bilibili视频链接: (中字)Xmas Express-JR東海CM集】

# 1988年 深津絵里

第1弾が放映された後、非常に大きな反響がありました。深津絵里はその時、まだ15歳の新人女優でした。視聴者から頻繁に電話があり、この女優は誰なのかと尋ねられました。「クリスマス・イブ」という曲も、一気に全国的に知られるクリスマスソングになりました。

1

1988年はバブル経済の最盛期で、当時の日本社会は浮ついた雰囲気に満ちていて、恋愛もそうでした。しかし、この広告作品は時代に迎合せず、10代の若者の純愛を描きました。年齢に関係なく、この広告を見れば、初恋の頃のときめきを思い出すことができるでしょう。

# 1989年版 牧瀬里穂

このバージョンは、このシリーズの中で最も人気のあるバージョンと言えます。1989年は特別な年でした。ベルリンの壁が崩壊し、冷戦が終結に向かいました。一方、日本では昭和天皇が崩御し、年号が昭和から平成に変わり、新しい時代の幕が開けました。その時代の鉄道には自動改札機もLED時刻表示もなく、誰かと会うことは、非常にドキドキすることでした。牧瀬は赤いコート、おしゃれな帽子を身につけ、手には贈り物を持って、ホームに向かって走っています。会うための準備に夢中になって、時間を忘れてしまったのでしょう。

2 現代人は「待つこと」や「会うこと」に、もう昔ほど感動しないかもしれません。携帯電話で最新の交通状況や電車の到着時間を調べることができ、遅れそうな時は、メッセージアプリで連絡すればいいのです。

ホームに向かって全速力で走ること、焦りながら待つこと、それらはもう前世紀の「失われた美しさ」になってしまったようです。

私は日本語のウェブサイトで、このCMを非常に詳細に研究・推理した長文の記事を見つけました。日本語が分かって興味があれば、読んでみてください。

《‘89 牧瀬里穂のJR東海クリスマスエクスプレスのCMが良すぎて書き殴ってしまった》

# 1992年版 吉本多香美

私が個人的に一番好きなのはこのバージョンです。このバージョンでは、女性はもう相手を待つのではなく、自ら相手に会いに行きます。1991年に放送された名作ドラマ「東京ラブストーリー」の莉香のように、平成時代の女性は恋愛においてより積極的になりました。

会う前にずっと笑顔の練習をしていたのに、最後に恋人に会った時には涙目で「バカ」と泣き声を上げるのは、本当に愛らしいです。

3

時代的な観点から言えば、昔は写真を撮るのにフィルムを使い、写真店で現像していました。しかし、このCMでは、女主人公が証明写真機で写真を撮り、待たずにすぐに写真を取ってカードに貼っています。これもある程度、当時の時代の風潮を反映し、新しい技術の発展を体現しているのでしょう。

# ストーリー性のある広告の誕生

クリスマス・エクスプレスのシリーズ広告は、広告界で学ぶべき典型的な事例と言えます。

このシリーズ広告を制作した企画者の三浦武彦と監督の早川和良は、80年代後半から90年代半ばにかけて、同様のスタイルの一連の広告を制作しました。これらの広告の最大の特徴は、人々の日常生活を中心に、心温まるストーリーを描いていることです。簡単に言えば、「ストーリー性のある広告」です。

三浦はある雑誌のインタビューでこう語っています。

非日常の世界に驚きや笑いの要素を加えることでも印象深くすることはできます。しかし、日常生活の中で起こる平凡なことが一番面白いと私は考えています。その中にもストーリーの脚本を見つけることができます。だから、日常から始まるストーリーは、もしかしたらより簡単に直接的に人の心をつかむことができるのかもしれません。最も重要なのは、視聴者の「共感」を呼び起こすことができることです。

2000年の特別版では、携帯電話が登場しました。

もし2020年の今、5G時代に生きる人々に「クリスマス・エクスプレス」の広告を作ってもらったら、私たちはどんなストーリーを描くでしょうか。

少し早いですが、メリークリスマス。